バッテリーには様々な容量(Ah)のものがありますが、実際に電気製品を使うとなると、どれだけの電力をどのくらい使えるのかイマイチ分かりません。
例えば、12V30Ahのバッテリーで100Wの電気製品を動かすとして、何時間くらい運用できるのでしょうか?
バッテリーの容量の違いで運用できる時間は変わってしまいますし、インバーターの自己消費や変換ロスも影響します。
ということで、バッテリーの容量やインバーターの自己消費などを入力すると、運用できる時間の目安を表意してくれる計算フォームを作ってみました。
以下のフォームに、
・バッテリー電圧(V)
・バッテリー容量(Ah)
・バッテリー実効値(%)
・インバーターの消費電力(W)
・インバーターの変換効率(%)
を入力すると、負荷となる機器のW数に応じた運用時間の目安を表示してくれます。
詳しい使い方や計算方法などはフォーム以下の解説を参考にしてみてください。
※スマホからは利用できない場合があります。
■バッテリーの容量と使える電力の関係をシミュレーション 入力フォーム
試算してみたい数値を入力してボタンを押すと結果が表示されます。
※正数以外、数値以外を入力した場合は0か1に置き換えられます。
『インバーターの消費電力』には0以上の数値、そのほかには1以上の数値を入力することが出来ます。
また、あくまで新潟おてんとサン的な試算なのですが、お遊び的な要素も含みつつ遊んでもらえたら嬉しいです。
以下、上記の『入力フォーム』の使い方と、計算方法の解説です。
■バッテリーの電圧(V)
この項目にはバッテリーの電圧を入力します。
12Vバッテリーの運用時間を知りたいなら『12』
24Vバッテリーの運用時間を知りたいなら『24』
という感じで入力してみてください。
■バッテリー容量(Ah)12V編
この項目にはバッテリーの容量を入力します。
12V30Ahのバッテリーなら『30』
12V100Ahのバッテリーなら『100』
という感じで入力してみてください。
■バッテリー容量(Ah)24V編
24Vの場合は接続方法によって数値を変えてみてください。
12V30Ahのバッテリーを2直列で24Vバッテリーとした場合は『30』
12V100Ahのバッテリーを2直列で24Vバッテリーとした場合は『100』
という感じで入力してみてください。
複数のバッテリーを接続したときの電圧と容量の関係は、
『複数接続したバッテリーの電圧と容量(運用時間)を知って、DIYソーラー発電に使うバッテリーを選定してみよう』
を参考にしてみてください。
■バッテリー実効値
バッテリーの容量は表記より劣ります。
『バッテリーはフル充電しても概ね80%しか充電できない』
といわれているくらいです。
この項目に『80』と入力すると、バッテリーの容量に0.8を掛けて計算します。
つまり、100Ahのバッテリーならば、80Ahのバッテリーとして計算します。
■インバーターの消費電力(W)
インバーターの自己消費って難しいですね。
ファンレスなら自己消費はほとんどないですし、ツインファンなら結構な電力を消費しそうです。
インバーターの仕様をよく見ると、消費電力が記載されていると思います。
その数値を入力してみてください。
例えば、100Wの機器を使うとしましょう。
インバーターの自己消費が10Wならば、110Wの電力が必要になりますよね。
この項目に入力した数値は、消費電力に加算されるだけです。
■インバーターの変換効率(%)
インバーターによって違ってくるのですが、一般的なインバーターは変換効率80%とか75%とかいわれています。
この項目に『80』と入力すると、インバーターの変換効率を80%として計算します。
■入力した数値は以下のように計算されます
このボタンを押して情報を送信すると、以下のように計算します。
100Wの液晶テレビを12V30Ahバッテリーで動かすとします。
自己消費が10Wで変換効率が75%のインバーターを使うものとします。
バッテリー実効値は80%として、運用できる時間を考えてみましょう。
・液晶テレビの消費電力とインバーターの自己消費を合計
『100W + 10W = 110W』
・インバーターの変換効率75%
『(100W+10W)÷ 0.75 = 146.67W』
12Vバッテリーで100Wの液晶テレビを使うには、146.67Wの電力が必要ということになりますね。
・12Vのバッテリーで147Wの電力を賄うので
『146.67W ÷ 12V = 12.22A』
の電流が必用です。
・30Ahのバッテリーの実効値
『30Ah × 0.8 = 24Ah』
・実効値24Ahのバッテリーが12.22Aの電流を供給できる時間は
『24Ah ÷ 12.22A = 1.96h』
1.96時間運用できるという計算になります。
バッテリーの運用できる時間を知るには、
・バッテリーの電圧と容量
・使用する機器の消費電力
・インバーターの自己消費電力
・インバーターの変換効率
この4つの数字さえ分かれば良いですね。
マージンの部分、
・バッテリーの容量に0.8を掛ける
・インバーターの変換効率0.75
の数値をちょっと変えてみると結果が変わってきます。
バッテリーを使い切る前提で計算しているのでチョット注意が必要です。
自動車用のバッテリーでもディープサイクルバッテリーでも、『限界まで使い切る』というのはバッテリーにとって大きな負担となります。
特に、自動車用のバッテリー(スターターバッテリー)は、『限界まで使い切る』ということを2回繰り返してしまうと寿命を迎えてしまいます。
さて、いかがでしょうか。
数値を入れ替えれるだけで、様々な消費電力やバッテリーで試算できるようにイメージして記事にしてみました。
元になっているのは『P=IE』という電力を示す公式です。
電力(W or VA)=電流(A)×電圧(V)
実効値とか変換効率とか言いはじめると何だか複雑っぽくなってしまいます。
ですが、各数値を微調整しているだけで、基本はオームの法則と『P=IE』です。
いろんな数値を入力して遊んでいただけたら嬉しいです。
※計算結果はあくまで目安として捉えてください
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。