本ブログの読者さまから質問を頂きました。
DIYソーラー(自作太陽光発電)に興味をお持ちの方の参考になるかも知れませんのでご紹介いたします。
■読者B氏からの質問
ソーラー初心者ですが質問がありましてメールしました。
よろしくご教示をお願い致します。
先月ソーラーパネルを初めて設置しました。
現状は以下の通りです。
・200Wパネル7枚を並列接続
公称最大出力:200W
公称最大出力動作電圧:37.5V
公称最大出力動作電流:5.33A
公称開放電圧46.5V
・24V正弦波インバーター
・12Vサイクルバッテリー135Ah 2個、直列24V運用
・PMWコントローラー30A(最大電圧が50Vのものだと思います)
質問ですが、
あと3枚ソーラーパネルを増やして発電量をアップしたく考えております。
計10枚となり、これ以上更なる電流値の上昇はケーブルの負担を考えると良くないと思います。
今回のパネル増設は電圧を倍に上げたいと思います。
5並列2直列の接続方法が出来ればいいかなと思いますが、いまいち接続方法がよくわからないです。
電圧や電流はどのようになるのでしょうか?
また、電圧や電流が上がった場合、100V以上の入力に対応した30A以上のチャージコントローラーなどが必要になるでしょうか?
何卒よろしくお願い致します。
■新潟おてんとサンの返答
はじめましてBさま。
メッセージをいただけて嬉しいです。
早速ですが、新潟おてんとサンの思うところを書かせていただきます。
まず『直列接続』について。
200W:37.5V:5.33Aのパネルを、
2直列にすると400W:75.0V:5.33A
3直列にすると600W:112.5V:5.33A
4直列にすると800W:150.0V:5.33A
5直列にすると1000W:187.5V:5.33A
となります。
ソーラーパネルを直列接続にすると、電圧が上がっていきます。
で、この5直列を2並列にすると、
2000W:187.5V:10.66A
となります。
次に『2直列を並列に』。
200W:37.5V:5.33Aのパネルを、
2直列にすると400W:75.0V:5.33A
となります。
で、この2直列を並列接続にしていくと、
2直列を2並列にすると、800W:75.0V:10.66A
2直列を3並列にすると、1200W:75.0V:15.99A
2直列を4並列にすると、1600W:75.0V:21.32A
2直列を5並列にすると、2000W:75.0V:26.65A
となります。
ソーラーパネルを並列接続にすると、電圧は維持したまま電流が上がりますね。
接続方法の違いによる出力の違いは以上のような感じです。
200W:37.5V:5.33Aのパネルを10枚使うとして、
5直列を2並列にすると、2000W:187.5V:10.66A
2直列を5並列にすると、2000W:75.0V:26.65A
のように、電圧と電流を調整することが出来ます。
ここで、ちょっと思うところを2・3点。
現状でパネルは200W7枚、バッテリーは12V135Ahを2つ。
とすると、バッテリーの方がだいぶ少ない印象を受けます。
200Wのパネルなら2~4枚で充分すぎるくらいと感じます。
まぁ、この辺は用途によりますので千差万別なのですが。
バッテリーは電圧を安定させる目的で使用して、日中のパネルが最大限に発電しているときに、それなりの電力(200W7枚だから1000W以上の)を使う感じであれば、こういうのもアリかなと感じます。
ですが、夜間や悪天候でもそれなりに使おうとなるとバッテリーが足りないかなと。
なので、12Vバッテリーを4直列で48Vバッテリーとして使っても良いくらいでしょう。
ただ、インバーターは24V用を準備してしまっていますので、こんな方法もあるっていう程度で参考までに。
冒頭では、ざっと2直列**並列のパターンで考えてみましたが、3直列**並列なども出来なくはありません。
以上を考えた中で、バランスが良いと思う構成は、
2直列を3並列にすると、1200W:75.0V:15.99A
2直列を4並列にすると、1600W:75.0V:21.32A
の2つかと考えます。
あくまでも用途によるのですが、バッテリーを現状のままでパネルを増やすメリットが少ないように感じます。
なので、
パネルを6枚に減らして『2直列を3並列、1200W:75.0V:15.99A』か、
パネルを1枚追加して計8枚、『直列を4並列、1600W:75.0V:21.32A』か、
このどちらかがバランスが良いのかなと感じます。
まぁ、3直列3並列で9枚のパネルを使うっていう手もありますが、見合ったチャージコントローラーとバッテリーの増量も同時に行うのが良いでしょう。
ここまでをジックリ見てもらえれば、ある程度の疑問は解決するかと考えます。
>>5並列2直列の接続方法
200W:37.5V:5.33Aのパネルを5並列で、1000W:37.5V:26.65Aです。
コレを2直列すると、2000W:75.0V:26.65Aとなります。
2直列を5並列にした場合の出力と同じですね。
で、メンテナンス性の観点から、2直列を5並列にした方が楽です。
例えば、パネルの1枚にトラブルがおきた場合。
2直列を5並列にしたものだと、トラブルのある2直列の部分を外してしまえば残りのパネルは機能しますし、電圧は75.0Vのままです。
これが、5並列2直列にした場合のトラブルでは、代替のパネルを準備したり、パネルの構成を組みなおしたりと、残ったパネルで運用できるように応急処置をするのが煩わしいかなと。
>>また、電圧や電流が上がった場合、100V以上の入力に対応した30A以上のチャージコントローラーなどが必要になるでしょうか?
200W:37.5V:5.33Aのパネルを
2直列を2並列にすると、800W:75.0V:10.66A
2直列を3並列にすると、1200W:75.0V:15.99A
2直列を4並列にすると、1600W:75.0V:21.32A
この3パターンならば『100V以上の入力に対応した30A以上のチャージコントローラー』で余裕がありますね。
2直列を5並列にすると、2000W:75.0V:26.65A
この場合はちょっとギリギリかと。
予期せぬ電流が流れてしまった場合、30A以上の電流が流れてしまうかもしれません。
いかがでしょうか。
以上が僕の思うところです。
パネルの接続方法は、ほとんどの場合が
『P=IV』
『P(電力W)=I(電流A)×V(電圧)』
とオームの法則で計算できてしまいます。
また、パネルの接続方法は考え得るだけで無数にありますから、僕が伝えたことが全て絶対というワケではありません。
本ブログと似たようなサイトも多数ありますから、貪欲に情報を収集して、狙い通りのシステムをつくってみてくださいね。
本ブログでは、読者の皆様からの質問やご意見を出来るだけ記事に反映させていくつもりです。
質問やご意見などなどコメントや直メールで遠慮なくお寄せくださいね。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。
現状7枚並列の最大電流は問題無いですか?
チャージコントローラーの30Aを越えていると思いますが。
はじめまして、シゲオさま。
>>現状7枚並列の最大電流は問題無いですか?
質問の内容は、いただいたメッセージをそのまま掲載しています。
僕の見落としです。
>>5並列2直列の接続方法
という質問を注視してしまったために、10枚のパネルで直列と並列を組み合わせて運用する際の回答に隔たってしまいました。
現状のままで運用するのも、チャージコントローラーの許容入力を超えてしまいますから、そこをまず伝えるべきでしたね。
失礼いたしました。
質問者さまには、改めて伝えさせていただきます。
ご指摘、ありがとうございます。