一般に広く流通している鉛バッテリー、
『特に自動車用のバッテリーは発火の危険性が大きい』
ということをご存知ですか?
密閉型のシールドバッテリーや、同じく密閉型のディープサイクルバッテリーといえども、扱いを誤れば発火の可能性はモチロンあります。
DIYソーラー発電を自作するにあたって、バッテリーの危険性を知ることが非常に重要なことだと感じます。
今回は、
・バッテリーを扱う上での注意点
・開放型と密閉型のバッテリーの違いや特性
をまとめてみます。
■ショートに注意
自動車のバッテリーの交換くらいは経験があるという方も多いと思います。
簡単にメンテナンスできる配慮がなされていますし、自動車は日常生活に密接に関係していますしね。
それゆえ、バッテリーの危険性って意識する機会が少ないかもしれません。
一般的なカーバッテリーでも、密閉式のディープサイクルバッテリーでも、負荷のない状態でプラスをマイナスを短絡(ショート)させてしまうことは非常にキケンです。
一気に大電流が流れてしまうので発火やスパークが発生して水素ガスに引火するかもしれません。
バッテリーの電極はアクセスしやすいようにバッテリー上部に露出しています。
DIYの最中にスパナやレンチをバッテリーの上に置いてしまったり、間違ってケーブル同士を接触させてしまうことに注意しながら取り扱う必要があります。
ショートしてしまった場合は思わぬ事態を引き起こす原因となってしまうので、バッテリーの危険性を意識した上でDIYに挑みたいですね。
■鉛バッテリーは充電すると『水素ガス』を発生する
鉛バッテリーの内部には『希硫酸』に『鉛板』が浸されている状態となっています。
バッテリーを使う(放電)ときには、
『鉛』⇒『硫酸鉛』
『希硫酸』⇒『水』
という化学反応を起こしながら電力を供給します。
バッテリーに充電するときには、
『硫酸鉛』⇒『鉛』
『水』⇒『希硫酸』
という化学反応を起こしながら充電されます。
ここで同時に『水素ガス』が発生してしまうのです。
バッテリーが『火気厳禁』で『ショートに注意』する必用があるのは、上記『水素ガス』への引火を防ぐためなのです。
『水素ガス』は濃度が濃くなって引火してしまうと非常に危険です。
ですが、比重が空気よりも軽いために、換気に気を配れば上昇・拡散して、引火できない状態になります。
つまり、密閉空間(室内やケースの中など)でバッテリーを充電してしまうと『水素ガス』の濃度が濃くなってしまい、引火の危険性が増してしまうということなのです。
■バッテリーの種類によって発火の危険性が違う
■一般的な自動車用のバッテリー
一般的な自動車用のバッテリーは『開放型』になっています。
充電の際に発生する『水素ガス』は外へ放出されます。
つまり、『開放型』のバッテリーを密閉空間(室内やケースの中など)で充電することは非常に危険です。
常に換気を意識して充電しなければなりません。
充電器を使って急速充電することも可能ですが、当然ですが『水素ガス』の発生量も多くなります。
このような場合は『液口栓』を開けて充電するのが基本です。
また、自動車用のバッテリーはバッテリー液の液量などの日常点検が必須となります。
バッテリー液の液量不足によって電極板の腐食を起こしたり劣化を早める原因となります。
バッテリー液には希硫酸が使われているので、転倒などで液が漏れてしまうと非常に危険だということも忘れないでくださいね。
こぼれてしまった希硫酸を放置すると衣類やゴムマットくらいは簡単に溶かしてしまいます。
■『密閉型』のバッテリー
シールドタイプバッテリーや多くのディープサイクルバッテリーは『密閉型』になっているので、『水素ガス』をバッテリー外に放出しません。
メンテナンスフリーなんて呼ばれたりします。
ですが外に『水素ガス』を放出しないだけなので、完全にリスクがないかといえば、そうではありません。
『開放型』にくらべると『水素ガス』の危険性が少ない程度と捉えて、やはり取扱いには注意するべきだといえますね。
また、カルシウム鉛合金を使用するなどして『水素ガス』の発生や自己放電を少なく抑えています。
そして、ガスを抜くための機構を持たないために、『密閉型』バッテリーは急速充電できません。
さて、いかがだったでしょうか。
新潟おてんとサンが自作したDIYソーラー(太陽光)発電には一般の自動車用のバッテリーが使われています。
かけられる予算に限りがあったことと、当初の僕にはバッテリーの知識がなかったことから、自動車用のバッテリーの使用に至ったのです。
これからDIYソーラーにチャレンジを考えているのなら迷わずディープサイクル・バッテリーを使うことを推奨します。
発火や爆発の危険が少なく済みますし性能も自動車用のバッテリーとは比べ物になりません。
バッテリーにも気を使って安全な運用をしていきたいですね。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。
ブログ参考にさせていただいています。
現在、自作太陽光発電をディープサイクルバッテリー12v並列で稼働していますが、24vシステムに変更しようと思っています。
そこでお伺いしたいのですが、バッテリーを直列接続するタイミングはいつが安全でしょうか。
①最初に24vするのか、②又、チャージコントローラー、インバーターに接続後の最後に24vにするのかどちらが良いのでしょうか。よろしくお願いします。
はじめまして、さくちゃんさま。
・直列にする2つのバッテリーのプラス(+)とマイナス(-)を接続
・チャージコントローラーのバッテリー接続用プラス端子と、2直列バッテリーの空いているプラス端子を接続
・チャージコントローラーのバッテリー接続用マイナス端子と、2直列バッテリーの空いているマイナス端子を接続
という手順で接続。
その後、ソーラーパネルなどを接続し終えたら、インバーターをバッテリーやチャージコントローラーのOUTに接続
とするのが良いのではないでしょうか。
1.バッテリーを直列にする
2.チャージコントローラーに接続する
3.ソーラーパネルなどを接続し終えたらインバーターを接続
といった感じですね。
チャージコントローラーはバッテリーの電圧を認識(監視)します。
また、24Vバッテリー(12V2直列)を積んでいるトラックなどのジャンプスタートの例なども参考になるかと思います。
丁寧なご説明で良く判りました。
ありがとうございます。
いえいえ、どういたしまして。
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