本ブログの読者から質問のコメントを頂きましたのでご紹介いたします。
■読者K氏からの質問
サイトを拝見し、とても分かりやすく参考にさせてもらっています。
私は高校の部活動でソーラーカーを作ろうとしています。
ソーラーパネルを使って玩具のゴーカートの6Vバッテリーを充電したいと考えています。
ですが、メンバー全員がまったくの初心者で、どのソーラーパネルを選びどう繋げれば良いのか迷っています。
ゴーカートは、
サイズ、94×63×51cm
荷重、25kg
バッテリー電圧、6V(7Ah20hr)
と説明書に書かれています。
このゴーカートに人は乗車せずソーラーパネルは傘やルーフのように設置したいと考えています。
どんなソーラーパネルやチャージコントローラーを使えば良いのでしょうか?
アドバイスを頂ければ嬉しいです。
■新潟おてんとサンの返答
Kさま、メッセージありがとうございます。
部活でソーラーカーって素晴らしいですね!
新潟おてんとサンなりに考え得ることをお伝えいたします。
一番現実的なのは、
『6V系のソーラーパネルとチャージコントローラー』
を用意する方法だと思います。
以下に新潟おてんとサンなりのアドバイスを書かせていただきますね。
■6V系のソーラーパネルとチャージコントローラー
『3Aソーラーチャージコントローラー CMP1.5-3A』
『6V系8W多結晶ソーラーパネル』
『6V系15W多結晶ソーラーパネル』
というのを見つけました。
どちらも『有限会社 YMT.net』というところから販売されていました。
検索すればすぐに見つかると思います。
チャージコントローラーは18Wまで入力できるようなので、
『6V系8W多結晶ソーラーパネル』なら2枚までを並列接続で、
『6V系15W多結晶ソーラーパネル』なら1枚を単体で、
それぞれ使うことができますね。
パネルを2枚並列接続にする場合は逆流防止のダイオードを使うのが好ましいです。
一方、15Wのパネル単体であればダイオードは必要ありません。
配線がシンプルになるのでソーラーパネルは単体で使うのが良いとは思います。
おススメは『6V系15W多結晶ソーラーパネル。』1枚を単体で使うパターンです。
ただし、3Aの出力なので、この構成で充電しながら走行してもバッテリーの減りを少なくする(走行時間を延命する)というい使い方になるでしょう。
■他の方法は?
・12V系のソーラーパネルとチャージコントローラーで一旦12Vバッテリーに充電
⇒DCDCコンバーターを使って12Vを6Vに変換してゴーカートのバッテリーに充電
・12V系のソーラーパネルとチャージコントローラーで一旦12Vバッテリーに充電
⇒インバーターで交流100Vに変換
⇒ゴーカートに付属の充電器で充電
新潟おてんとサンが簡単に思いつくのはこの2つの方法です。
どちらの方法も別途12Vバッテリーが必要になりますが、より多くのソーラーパネルを使うことができるでしょう。
ですが、一旦12Vバッテリーに充電してから6Vバッテリーに充電するのでロスの多い方法といえますね。
また、別途バッテリーを準備しますから重くなってしまいます。
いかがですか?
上記の構成で一番かんたんに実現できそうなのは、
『3Aソーラーチャージコントローラー CMP1.5-3A』
『6V系15W多結晶ソーラーパネル』
の組み合わせではないでしょうか。
・パネル1枚
・チャージコントローラー1つ
というとってもシンプルな構成です。
シンプルな構成で実験してみて足りない部分は後々システムアップする。
1つ1つ理解しながら自分たちもレベルアップしていけば良いと思いますよ。
参考までに、上記で紹介したソーラーパネルとチャージコントローラーの特性をお話いたしますね。
『6V系8W多結晶ソーラーパネル』
8W
動作電圧:8.64V
動作電流:0.93A
8W ≒ 8.64V × 0.93A (電力P = 電圧E × 電流I)
『6V系15W多結晶ソーラーパネル』
15W
動作電圧:8.64V
動作電流:1.74A
15W ≒ 8.64V × 1.74A (電力P = 電圧E × 電流I)
どちらも動作電圧は同じですよね。
つまり、どちらのパネルも電流を流そうとする力は同じということです。
ですが動作電流には差があります。
これは2つのパネルから取り出せる電流が違うということですね。
電流は、電圧の高いほうから低いほうへ流れます。
上記の2枚のパネルは、どちらも8.64Vの動作電圧なので、それより小さい電圧のバッテリーに充電できる(電流を流し込むことができる)ということなのです。
つまり、6Vバッテリーに充電できるのです。
電流の違いは何を意味するのかと言うと、流し込める電流の量が違うと考えれば良いでしょう。
電圧は同じでも、発生する電流が違う。
この2つの積によってパネルの能力(電力)を算出するワケです。
また、6Vバッテリーの電圧は、実は6Vで一定ではありません。
・フル充電で7V前後
・使い切った状態で5V前後
の電圧になるかと思います。
使い続ければ徐々に電圧が下がってきます。
この辺はテスターを使って測定してみると面白いですね。
このバッテリーに充電するには、
『パネルの電圧8.64V > バッテリーの電圧5~7V』
という状態を作れば良いですね。
※同じ5Wや15Wのソーラーパネルでも動作電圧の違うものがあります。
多くのDIY向けソーラーパネルは12Vバッテリーに充電することを目的に動作電圧が調整されています。
また、12V系のシステムが主流であるために6V系の機器が非常に少ないです。
以上、とっても長くなってしまいました(汗)
ややこしい書き方をしたかもしれませんが
『電力P = 電圧E × 電流I』
の公式でかんたんに計算できることばかりです。
部のメンバーで色々話し合って、できる所から実験してみたら良いと思います。
思考錯誤してトライする。
失敗と成功を重ねることで、ただの知識は貴重な経験へと変わるでしょう。
新潟おてんとサンのアドバイスは、あくまで1パターンのアドバイスなのです。
要は、このアドバイスが正しいということではなくて、『正解は他にも沢山あるハズ』と思うのです。
以上で新潟おてんとサンのアドバイスは終了です。
Kさま達が力を合わせて目標を達成できることを祈っています。
■読者K氏からの返答
教えていただいたことを参考にバッテリーとソーラーパネルを接続でき、ソーラーラジコンも無事に動かすことができました!
また、課題研究としてソーラーパネルでの発電量について実験を行い、先日の校内発表会にてポスター発表を無事終えることができました。
そこで新たな疑問も生まれ、これからも研究を続けていこうと思います。
教えていただいたわかりやすい説明とアドバイスのおかげで、ここまで課題研究を進めていくことができました。
御礼が遅くなってしまいましたが、本当にありがとうございました。
さて、いかがだったでしょうか。
部活でソーラー発電、なんだか楽しそうですね!
新潟おてんとサンは中学・高校と『電気部』なんていうクラブ活動に参加していました。
8bitのマイコン電子工作キットを組み立てて『BASIC』というプログラム言語を勉強したり、ポケコン(ポケットコンピュータ)を使ってBASICやC言語を使ってソフトを作ってみたり。
とっても充実していた新潟おてんとサンの過去の記憶が蘇ります。
Kさまにも他の部員にも、失敗と成功を繰り返す純粋だった頃の思い出と経験を沢山つくって欲しいと感じました。
『いろいろ考えて』
『仲間と協力して』
『何かを成し遂げる』
これからの人生で何かにつまづいたり、行き詰ってしまったり、といった時が訪れるものです。
そんな時に、仲間と思考錯誤して何かを生み出した経験が力になってくれるのだと新潟おてんとサンは思います。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。