自作のソーラー発電をDIYするときに考えなければならないのが、
『システムの電圧をどうするのか?』
ということです。
要は、
『自作の太陽光発電でつかうバッテリーをどんな組み合わせて使うのか?』
ということですね。
DIYソーラーの場合は一般的に流通している12Vバッテリーを流用することが多いです。
この12Vのバッテリーの組み合わせ方によってシステムの電圧が決まるのです。
12Vと24Vのバッテリーの組み合わせを図にしてみたので、以下を参考に自作太陽光発電のシステム電圧を決めてみてください。
■12V系のDIYソーラー発電システム
12Vのシステムはシンプルで扱いやすいと思います。
自作太陽光発電の初心者ならば、こういった設計のDIYソーラーが製作しやすいですね。
・ソーラーパネルは、12Vバッテリーの充電に見合った出力のものを選択しましょう
~100W程度のソーラーパネルであれば公称最大出力動作電圧が18V前後ですので、12V系の独立系DIYソーラー発電に適したソーラーパネルといえます。
・チャージコントローラーは、システムに流れるであろう電流を想定して余裕のある製品を選択しましょう
どの程度のソーラーパネルを使うかによってシステムに流れる電流が変わってくるので注意が必要です。
・インバーターは、DC(直流)12VをAC(交流)100Vに変換する物が必要になります
ここでは12Vのバッテリーを最小単位として考えているので、12VのDIYソーラーが最もシンプルな構成といえます。
新潟おてんとサンが自作した以下の2つの自作太陽光発電、
『4万円で自作できた!かんたんDIYソーラー発電』
『1万円で自作できた!かんたんDIYソーラー発電』
は、どちらも12V系の独立系DIYソーラーということになりますね。
バッテリーを複数使うときは12Vの電圧をキープする必用があるので、12Vバッテリーを並列で使うことになります。
バッテリー側が12Vであれば、ソーラーパネル側は18Vくらいにするのが妥当です。
バッテリー側とソーラーパネル側の電圧の関係は混同しやすいので注意してくださいね。
■12V系のメリット
『構成がシンプル』
『12V用のカーアクセサリが使える』
『インバーターやチャージコントローラーなどの選択肢が広い』
という点でしょうか。
■12V系のデメリット
『バッテリーの容量が少ない』
『パネル増設などで発電量を増やすと電流が高くなってしまう』
ということですね。
カーアクセサリがそのまま使えるというのは非常に魅力的ですよね。
また、12V系DIY用の機器が充実しているというのも初心者には優しいポイントだと感じます。
低電圧で大電流というのは発火のリスクが高まってしまいます。
それにチャージコントローラーの破損につながります。
■24V系のDIYソーラー発電システム
24Vのシステムはバッテリーの構成がちょっと複雑になります。
150W36V程度かそれ以上のソーラーパネルを使いたいときには24V系のシステムにする必用があります。
基本は12Vバッテリーを2コ直列です。
さらにバッテリーを追加したいときには、当然ですが12Vバッテリーを2つずつ追加します。
12Vバッテリーを2直列にして、それを並列で追加していくパターンと、
12Vバッテリーを並列で接続して、その2つを直列で接続するパターンがあって、
どちらも24Vの電圧をキープできます。
・ソーラーパネルは、24Vバッテリーの充電に見合った出力のものを選択しましょう
150W以上のソーラーパネルであれば公称最大出力動作電圧が36V前後のものが多いので、24V系の独立系DIYソーラー発電に適したソーラーパネルといえます。
・チャージコントローラーは、システムに流れるであろう電流を想定して余裕のある製品を選択しましょう
どの程度のソーラーパネルを使うかによってシステムに流れる電流が変わってくるので注意が必要です。
また、24Vのバッテリーに対応したチャージコントローラーが必要になります。
・インバーターは、DC(直流)24VをAC(交流)100Vに変換する物が必要になります
24Vをキープするために構成が複雑になってしまいます。
バッテリー側が24Vであれば、ソーラーパネル側は36Vくらいにするのが妥当です。
バッテリー側とソーラーパネル側の電圧の関係は混同しやすいので注意してくださいね。
■システムの電圧を高くするメリット
『システムに流れる電流を低く抑えることが出来る』
『バッテリーの容量を多く出来る』
という点でしょうか。
■システムの電圧を高くするデメリット
『配線が複雑になってしまう』
『バッテリーを並列と直列の複合で繋ぐ必用がある』
ということですね。
低電圧で大電流というのは発火のリスクが高まってしまいます。
システムの容量をより多くしたい時には、システム電圧を上げてやるのがスマートな方法といえますね。
いかがだったでしょうか。
製作したい自作太陽光発電の規模に応じて、システムの電圧をシッカリ考えておくのが良さそうですね。
それに36V系や48V系に応用も可能です。
DIYソーラーのシステム電圧や構成をしっかり決めることで、ソーラーパネルやチャージコントローラーなどの選択で迷うことがなくなると思います。
また、バッテリーを沢山使うと便利になるように捉えられてしまう記事となってしまいましたが、あくまでも接続方法と電圧の関係を示すための解説と思ってください。
実際の運用では、バッテリーの個数が少ないほうが安全ですし保守も楽になりますよね。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。
新潟おてんとサン 様
はじめまして。
埼玉に住んでいる「しん」と言います。
最近非常に興味深く拝読させていただいております。
私は工業系の学校を出ているわけでもなく普通のサラリーマンですが
最近DIYの太陽光発電に非常に興味を持ちネットで色々調べているうちに
新潟おてんとサンのページに辿り着き色々と教えていただきたく質問させていただきます。
DIY太陽光パネルに興味を持ったきっかけですが、昨年キャンピングカー(ハイエース)中古を購入しましたが、
普段は乗用車で通勤しておりお休みの日にたまに動かす程度だったためバッテリー上がりが頻繁に起きていました。
そこで車のバッテリーの充電をソーラーパネルで充電と言うのを思いついてから興味が沸き始めたのがきっかけでした。
今では車の充電用としてではなく、非常用電源、アウトドア用電源として「ポータブル電源」の作成を行おうと思っているところです。
そこで質問ですが、
①バッテリーは車載用バッテリーorディープサイクルバッテリーがよいか迷っています。
非常用やアウトドア用としての使用用途は主に照明になるのかなぁ?と思っていますが
その程度の電力使用であればディープサイクルの方がいいんじゃないかと自分なりの解釈をしていますが。。。
②私も少ない小遣いの中でのやりくりになるため、コツコツと部材をヤフオクで手に入れようと思っていますが、バッテリーで「電動バイク」や「ゴルフカート用」とか「マリン用」等ありますがこのようなバッテリーでも大丈夫でしょうか?
③更に夢は膨らんで。。。家にはペットが2匹(チワワ)おり、夏場(5月~9月頃)は気温36℃以上になることもありエアコンを入れっぱなしで勤務に出かけるようになります。
エアコンだけでも太陽光パネルで発電できたら電気代は掛からないのに。。。など考えていますが
・太陽光パネル、チャージコントローラー、インバーター(正弦波)の組み合わせで作ったら電気代より高くつくようにも思いますが、何か良い方法ありますか?
まったくの素人でいきなりの質問、的外れなところがありましたらお許しください。
はじめまして、しんサマ。
コメントありがとうございます。
キャンピングカーのバッテリー上がりが解消できたのであれば、しんサマも立派なソーラー発電家かと!
>>「ポータブル電源」の作成
持ち運べるパネルの大きさがポイントになりそうですね。
>>バッテリーは車載用バッテリーorディープサイクルバッテリー
>>使用用途は主に照明
とのことなので、やはりディープサイクルバッテリーを使うのが良いかと。
オフグリッドソーラーで使うバッテリーは、常に充電しながら使うワケではありませんからね。
>>バッテリーで「電動バイク」や「ゴルフカート用」とか「マリン用」等ありますがこのようなバッテリーでも大丈夫でしょうか?
鉛バッテリーなら基本的な部分は同じかと。
ACデルコあたりのディープサイクルバッテリーって、当初はマリン用途だったような。
それに、ゴルフカート用のEBバッテリーを流用している方もいますしね。
>>エアコンだけでも太陽光パネルで発電できたら電気代は掛からないのに。。。など考えていますが
・太陽光パネル、チャージコントローラー、インバーター(正弦波)の組み合わせで作ったら電気代より高くつくようにも思いますが、何か良い方法ありますか?
これは・・・ナイんです(笑)
今より高性能で安価で大容量のバッテリーが必須でしょうから。
無駄がナイという点ではGTIでしょうか。
いずれにしても、長く使えるものを選んで、ひたすら使うってのが、元をとることに繋がるんでしょうね。
バッテリーやチャージコントローラーやインバーター、それぞれ余裕を持たせて選択するのが良いかと。
以上が新潟おてんとサンの思うところです。
まぁ、僕の主観ばかりですから、『これが正解!』っていうことではありません。
お互い安全に気をつけつつ、楽しんでいきましょうね!