旧型の『トヨタ コムス(AK10E-PD)』にソーラーパネルを取り付けたいのですが?

トヨタのコムスというEV(電気自動車)にソーラーパネルを取り付けたい
といった内容のメールが当ブログ読者のSさまから届きました。

新潟おてんとサンがコムスにソーラーパネルを取り付けして、それをSさまの元へ陸送して欲しいという提案でした。

残念ながら計画は中止となってしまいまいしたが、Sさまとメールにて相談・検討した経緯などは自分にとって貴重な体験だったと感じています。

そして、新潟おてんとサンにも未熟な部分が多々あって、Sさまの望みを実現できるような提案が出来なかったことがチョット心残りです。

これが当初ターゲットとなっていたコムスです。
鉄製ドア付きのトヨタコムス
鉄製!?のドアが付いていますね!
新潟おてんとサンとしてもコレをいじってみたかったです。

自作ソーラー発電家のみなさまの参考になるかもしれませんから、相談・検討した内容をここでお伝えいたしますね。

Sさまと新潟おてんとサンのメールでのやり取りは1ヶ月ほど続きました。
長文で10往復以上のやり取りなので、記事も長くなっていますのであしからず。


読者Sさまからの提案

はじめまして、F県在住のSと申します。

現在、中古の旧型トヨタコムス(電気自動車) AK10E-PD の購入を検討しています。
また、補助的なソーラーパネルの取り付けも同時に検討しています。

さて、この件で相談です。

当方が購入を検討中の車両が某県にあるのですが、
某県⇒新潟県まで陸送
コムスにソーラーパネル取り付け
新潟県⇒F県まで陸送
という対応は可能でしょうか?

また、その場合の、
作業費用
材料費
などの費用をご提示いただけないでしょうか?

参考までに他の業者と打ち合わせをした際のメールを記します。
ちなみに陸送部分のコストが掛かりすぎてしまうため、この業者への依頼は断念しました。


■某業者からのメール

改造に必要な経費につきましては、ざっくり申し上げますと11万円程度になります。
ここに含まれるのは、アップバーター(改造費含む)、ソーラーパネルの屋根への取付部材、各種配線、取付工賃です。
コムスの型にもよりますが、古いものですとチャージコントローラー(1万円程度)も別途必要になります。
コムス本体とソーラーパネルをご用意いただければ、上記の金額で対応できると思われます。

・アップバーター
ソーラーパネルとメインバッテリーを繋ぐのに必須となる機械です。
ただし、今のところ、コムス専用のものはないようです。私たちは、エアコン用等に市販(7万円程度)されているものを改造して使っています。

・チャージコントローラー
新しいコムスであれば不要ですが初期の頃のコムスだと必要になります。
こちらは市販(1万円程度)されているものがあります。

・屋根への取付金具(2万円~3万円程度)
ソーラーパネルを載せる方法は色々あると思います。材料はホームセンター等でそろえることができます。

・その他配線等(5千円程度)
ホームセンター等でそろえることができます。


ソーラーパネルを取り付ける費用として11万円ほど。
別途で陸送費用という金額の提示でした。

以上よろしくお願いいたします。


新潟おてんとサンの返答

はじめまして、Sさま。
メッセージありがとうございます。

メッセージをいただけて非常に嬉しいです!
早速ですが、新潟おてんとサンとしての意見をお話させていただきますね。

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まず、コムスに乗せるソーラーパネルは何W程度をお考えでしょうか?

お教えいただいたサイト『コムスのハイブリッド化』でコムスに載せられているソーラーパネルは、合計で100W~150W程度(もっと少ないかも)だと思います。
どちらかというとガソリン発電機で充電することに主眼を置いたカスタムですね。

ここでソーラーパネルのお話です。
仮に、コムスに合計で200Wのソーラーパネルを載せることが出来た(スペース的に厳しいとは思いますが)とします。

この200Wのソーラーパネルの発電した電力でコムスのメインバッテリーをフル充電するのに30時間(最も発電する時間帯の累積)ほど必要だと思います。
1日のうちで晴天の11時~14時に充電できたとして10日ほど掛かる計算ですね。
実際はアップバーター(DC-DCコンバーター)でのロスがありますから、もっと効率は悪くなります。

ルーフに載せるサイズ的に無理の無いソーラーパネルをチョイスすると100W程度かなと思います。
(100Wのパネルでもコムスには大きすぎるかも知れません)

ですが100Wのパネルでは、72V(12V×6直列)のバッテリーを充電するのには役不足ではないか?というのが新潟おてんとサンの考えです。

100Wのソーラーパネルが発電した電力をアップバーターを介して充電したところで、気休め以下の効果になってしまうような気がするのです。

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現実的なお話をさせていただきます。

メインバッテリーではなく12Vのサブバッテリーへの充電を目的としてみてはいかがでしょうか?
50W程度のパネルであれば12Vサブバッテリーに対して充分効果的だと思います。

また、シガーソケットを追加すればコムスで12V車用のカーアクセサリーが使えるようになります。
発電している時に限定して使用すればバッテリーへの負担も少ないですし、快適装備も欲しいじゃないですか!

50Wのパネル、1万円
(100Wなら1万5千)
チャージコントローラー、1万円
取付金具、1万円
配線、5千円
————————————-
3万5千円(4万円)

というシンプルな構成で実現できます。

コムスは、72V(12V×6直列)のバッテリーから12Vサブバッテリーへ充電します。
72V(12V×6直列)のバッテリーは燃料という位置付けですからね。
12Vのサブバッテリーに充電するときには電圧を落とすハズなので、さらにロスが発生します。

ここで12Vサブバッテリーにソーラーパネルからの充電が行われればメインバッテリーの負担を減らせます。
また、高額なアップバーターを排除できますし変換ロスも少ないので、投資金額と効率の両面を満たせるのではないでしょうか?

アップバーターが無い分でスペースにも余裕が生まれますし、機器への投資も減りますね。

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お聞きした見積もりについて。

アップバーター、7万円
チャージコントローラー、1万円
取付金具など、3万円
配線等、5千円
————————————-
11万5千円

とは別にソーラーパネルを準備する必要があるようですね。

100Wのソーラーパネルの価格は、中国製の安い物で1万5千円ほど。
大きさは60cm×110cm程度です。
総額13万円になりますね。

100Wのフレキシブルソーラーパネルの価格は、4万円ほど。
大きさは90cm×180cm程度です。
総額15万5千円になりますね。

フレキシブルタイプは大きい割りに発電量が少なく、また、常に振動がある状況での使用を考えると、接合部や配線の根元の強度などが心配です。
100W程度の物でたたみ1畳分の大きさになってしまいます。

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ここまでの見解をまとめます。

13万円~15万5千円のコースと、4万円のコースとで、効果はさほど変わらない気がします
厳密に計算はしていないですし、実際の運用経験がないので何とも言えない部分ではありますが。

50~100W程度のソーラーパネルは12Vのバッテリーへの充電を前提に作られたものが多く、サブバッテリーとの相性も良いと思いますよ。

新潟おてんとサンが自身でカスタムするのであれば、出費が少なく構成のシンプルな『4万円のコース』の方をチョイスします。
ただの貧乏性なだけかもしれませんが(苦笑)

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ちょっと別な提案。

今までのお話の要所は、
限られたバッテリーを走りながら充電して航行距離(時間)を少しでも伸ばす
という方向ですよね。

目的は違ってしまいますが、仮に15万円ほど出せるのであれば、
・200W(24Vタイプ)のパネル×3枚を直列に(72V)
・72Vの入出力に対応したチャージコントローラー
を据え置きに設置して『商用電源を使わないでコムスを充電する』というパターンも面白いと思います。

コムス用の小さなカーポート的な小屋の屋根をソーラーパネルにしちゃう感じがスマートかもしれませんね。

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さて、最後のセクションです。

新潟おてんとサンがお引き受け出来るとすれば、先に紹介した『4万円のコース』になります。
実際にやってみると4万円をちょっと出るかも知れませんが。

エアコン用流用のアップバーターはリスク(投資と効率のロス)の方が多いように思えるので・・・僕にはお手伝いできません。

新潟港(フェリー)まで引取りに行って、施工後に再度フェリーに乗せるくらいは出来ますよ。
陸送を外注すると高額になるので僕が直接運搬します。

費用に関して言えば、新潟おてんとサンは趣味の範疇でソーラー発電を楽しんでいる身の上ですので、材料費などの実費をいただければ工賃などはいりません。
僕のブログのネタにさせてもらえれば、それが報酬といった感じでしょうか。僕のブログで写真などがガンガン掲載されてしまいますが(笑)

ただし、保障はいたしかねます。
僕の過失による損害(コムス運搬中の破損など)が発生した場合は責任を負いますが、ソーラーの取り付けに関する部分の保障は出来ません。

まぁ、『4万円のコース』程度のカスタムであれば、Sさまご自身でも出来るのではないか?と思います。
F県まで直接送るのと、いったん新潟を経由するのとでは、運搬費用もかなり違ってきますよね。

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以上が新潟おてんとサンからの返答となります。

Sさまのイメージとは違う返答になってしまったかも知れませんが、今の僕に考え得る全てを書かせていただきました。

Sさまの提案を真っ向から否定してしまうような内容かもですが、悪気は全くありません。
僕なりに真剣に考えての返答です。

以上を踏まえた上で、今一度プランの検討をしてみてください。

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追伸します。

コムス、僕もとっても欲しいです!
コムスの購入を現実的に検討できるSさまが羨ましかったりします(笑)

長々と書いてしまいましたが、こういう悩みはワクワクするものですね。
僕の意見がSさまのお力になれれば幸いです。

以上、『新潟おてんとサン』でした。


読者Sさまからの返答

早々の返信ありがとうございます。

別のコムス(EV)に詳しい別の業者から、軽くて開放電圧が高いという利点で富士電機製フレキシブルタイプのソーラーパネルを使った
勝手に充電システムキット
というのを教えてもらいました。


■某業者からのメール

当社で使用するフレキシブルタイプのソーラーパネルは富士電機製で23Wのものです。
開放電圧が100Vありますので直接充電することができます。

電圧が高いのでアップバーター(昇圧回路)やチャージコントローラーも不要だと思います。

フレキシブルのため金具など必要ありません。
ただテープで貼り付けますので時々張替えは必要かと思います。

『勝手に充電システムキット』
取り付けを含む全部で20万ぐらいの内訳です。

コムス勝手に充電システムキット、¥157,500
フロアーパネル脱着工賃、¥13,650
電圧計・電流計取り付け加工、¥15,750
電圧計1個・電流計3個、¥5,460
————————————-
合計 ¥192,360


この方が言うにはアップバーターやチャージコントローラーは不要とのことです。

フレキシブルタイプにするとアップバーターやチャージコントローラーは不要になるのですか?
電気に疎い自分には理由がわかりません。

上記のキットを購入するほうが良いのでしょうか?

もし引き受けて頂ける場合は、個人間の委託なので責任瑕疵とかをどうこうの気は毛頭ありません。
ただ不調の時に助言いただけるならば非常に心強いです。


新潟おてんとサンの返答

こんにちは、Sさま。

富士電機製のフレキシブルソーラーパネルの仕様などをネットで見つけました。
なかなか良さそうですね。

とりあえず、『富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』を使うとアップバーターが不要となる謎を解いておきましょう。

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一般的に売られているDIY向けのソーラーパネルは、12Vや24Vや36V程度のバッテリーに充電するために出力を調整してあるのです。
1つのパネルには幾つものセルが入っています。そのセル一つ一つが発電するので、『パネル内でのセルの接続の仕方』で出力特性が変わるのです。

ソーラーパネルというのは、いくつものセルを直列や並列で接続して、一つのパネルとしてパッケージしたものなんです。

23W、108V、ということは、
0.22A程度の電流を取り出せるということです。

一方、一般的な100W、18V、というパネルだと、
5.56A程度の電流を取り出せるということです。

例えば、同じ23Wのフレキシブルソーラーパネルがあったとして、パネル内の接続の仕方を変えてみるとします。
23W、50V、のように電圧が下がって良いのであれば、0.46Aほどの電流が取り出せるのです。
もっとも、製品として出荷されたフレキシブルソーラーパネルの内部を弄るのは無理ですが・・・。

電流というのは、電圧の高いほうから低い方へと流れます。

つまり、23W、108V、0.22Aのパネルであれば、
72Vバッテリーに電流を流し込むことが出来るのです。
ただし、流し込める電流は0.22Aです。

これが、100W、18V、5.56Aのパネルだったら、
72Vバッテリーからパネルに電流が逆流してしまいます。
保護回路などが無ければパネルは破損してしまうかもしれません。

つまり、23W、108V、0.22Aの富士電機製のフレキシブルソーラーパネルであれば、72Vバッテリーに電流を流し込むことが出来るのです。
ただし、流し込める電流は0.22Aほどです。
僅かな電流ですが、ちゃんと充電すると思います。

以上のことから、
富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』で
コムスのバッテリー、72V(12V×6直列)』を充電するのであれば
アップバーターやチャージコントローラーは不要
ということを業者が言っていたのですね。

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富士電機製のフレキシブルソーラーパネルでしたらバッテリーにつなぐだけの簡単工作ですよね。

『富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』
⇒『ショットキーバリアダイオード』
⇒『ヒューズ』
⇒『電流計』
⇒『メインバッテリー』

テープで接着すれば費用は安く抑えられそうです。
必要に応じてダイオードにヒートシンクをつけるべきかと思います。

材料費は『パネルの価格+4万程度』といった感じでしょうか。
(かなりの余裕をみています。)

『勝手に充電システムキット』について。
『富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』を1枚使って15万というのは・・・パネルがかなり高そうですね(汗)
仮に『富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』が4~5万だとしたら、材料費のトータルは10万を余裕で切りますね。

ちょっと特殊なソーラーパネルですから高いのかも知れませんね。
単体で幾らくらいなんでしょうか・・・。
こういう製品は一個人に販売してくれない場合もありますから、DIYで実現するのは難しそうです。

『富士電機製のフレキシブルソーラーパネル』を単体で購入することが出来るのであれば、『勝手に充電システムキット』は必要ないと思います。

以上、『新潟おてんとサン』でした。


読者Sさまからの返答

フレキシブルソーラーの件、大変わかりやすい解説ありがとうございます。

V×A=Wは辛うじてわかるので(苦笑)
大変理解に役立ちました!

23Wのパネルでは気休め程度にしか充電できない感じがしますね。

はじめのメールに書いてあったシガーソケットの件で聞きたいことがあります。
50Wほどのソーラーパネルでコムスのサブバッテリーを充電するとして、シガーソケットはどのくらいの費用で追加できますか?


新潟おてんとサンの返答

こんにちは、Sさま。

シガーソケットはかなり使えると思いますよ。

仮に、コムスを始動していない場合でも12Vの電源が確保できることになりますから、50Wパネル+12Vバッテリーのオフグリッドソーラーシステムとして使うことが出来るはずです。
50Wのパネルが発電している状態に限定されますが。

シガーソケット自体は1000円もしないですし、配線もたかが知れています
むしろ、サブバッテリーが満タン時にはソーラーパネルで発電した電力が無駄になってしまうので、バッテリーの充電以外で消費するのも悪くないですよね。

お天気の日なら、携帯充電・ポータブルナビなどなど運用しながらコムスで走れるワケです
メインバッテリーにほんの僅かな充電をするよりも、コムスに負担を掛けないで快適装備も実現できる方向でのカスタムになると思いませんか?

場合によっては、コムスのリヤBOXにもう一つバッテリーを積んで、サブバッテリーを強化することだって可能です。
12Vサブバッテリーに同規格のバッテリーを並列で追加するワケです。

パワー/ウェイト/レシオ(力と重さの比)が悪くなってしまいますが・・・。
コムスなのに贅沢電装品仕様にできちゃいます(笑)

以前、フュージョンという250ccのスクーターのリヤBOXに、車用のバッテリーを追加で積んで乗っていたことがあります。
ちょっと始動性が悪いバイクだったのですが、どれだけセルを回しても平気でした。

バッテリーだけは非常にパワフルなバイクが完成しました(笑)
お話しがちょっと飛躍してしまいましたね。

以上、『新潟おてんとサン』でした。


さて、いかがでしょうか。

上記のような調子で10往復以上のメールのやり取りをさせていただきました。

諸事情あってSさまはコムスの購入を延期することとなりました。

このままトントン拍子に話が進んだとしたら、どんなソーラーコムスが出来上がったのでしょうか?
ちょっと見てみたい気がしますね。

また、新潟おてんとサンの知識もレベルが低いと感じてしまいました。
読者の皆様から沢山の問い合わせを頂くのですが、的確なアドバイスができない場合もあったりします(汗)

それでも、精一杯の返信をさせていただきますので、気になることがあったらお気軽にコメントや直メールしてください。
間違いの訂正なんかも真摯に受け止めますので、ご教授いただければ幸いです


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以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。



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