『4万円で自作できた!かんたんDIYソーラー発電』
という記事で紹介した自作の太陽光発電について、もうちょっと詳しく新潟おてんとサンが設置した方法をまとめてみます。
DIYや日曜大工がお好きな方には、このくらいの自作ソーラーが面白いかもしれませんね。
上記のイメージ画像の通りに、
- ソーラーパネルに架台を取り付ける
- カーポート上に100Wのソーラーパネルを設置
- コンテナボックスにチャージコントローラーなどを格納
- 屋内へケーブルの引き込み
というDIYになりました。
■ソーラーパネルに架台を取り付けてカーポートにポン置き
架台には、近所のホームセンターで購入してきた『イレクターパイプ』を使いました。
コレが結構な出費となってしまいました。
で、カーポートの溝にハマるように足の角度を調整してポン置きです(笑)
■要所はワイヤーでシッカリ固定する
新潟おてんとサンは画像のようにして4箇所固定しました。
ワイヤーが長くなる部分は、ターンバックルで張り加減を調整出来るようにしてあります。
(1つ前の写真)
カーポートの屋根を固定しているボルトに合うナットを購入してきて、ボルトナットでワイヤーを固定しました。
ワイヤーと呼んでいますがステンレス製の番線です。
ただの針金です(笑)
一般のお宅の屋根を見上げると、たいていはテレビアンテナが設置されています。
よ~く見るとワイヤーで何箇所か固定されているはずです。
そんなイメージで架台とカーポートをシッカリ固定しましょう。
■ソーラーパネルからコンテナボックスまでのケーブルを保護する
ソーラーパネルから+と-の2本の黒いケーブルが出ています。
このケーブルを、カーポートの上から地面を這わせてちょっと離れたコンテナBOXまで引っ張っていく必要が有るのです。
ケーブルが露出したままでは上手くないので保護管の中を通すことにします。
ソーラーパネルは日当たりの良い場所に設置して、バッテリーなどを格納するコンテナBOXは出来るだけ直射日光の当たらない所へ設置しました。
一通りケーブルと保護管を引いてから最後にソーラーパネルと接続しました。
ケーブルとソーラーパネルの接続は専用の防滴コネクタが付属していたので、そのまま使いました。
保護管をコの字に取り回してカーポートの裏側にケーブルを回り込ませます。
保護管は特に固定していませんが問題なく運用できています。
ソーラーパネルをシッカリ固定していれば大丈夫かな~っていう発想です。
新潟おてんとサンのようにサボらず、ちゃんと固定することを強くオススメいたします(笑)
カーポートの柱に保護管を固定する。
おサボり癖のある新潟おてんとサンでも、ここはちゃんと固定しておきます。
とはいっても、太いインシュロックを巻いてあるだけですが(汗)
こんな感じでコンテナボックスまでケーブルを引いて行きます。
新潟おてんとサンの場合は、ソーラーパネルからコンテナボックスまでのケーブルを8mほど使いました。
パイプとL字ジョイント、蛇腹の何か(呼び方がわかりません)を使って、かんたんな保護をした方がケーブルを露出させておくより幾分は安心ですね。
■コンテナボックスへのケーブルの引き込み
コンテナボックスの背面に穴を開けて、防滴のために屋外コンセントを取り付けて保護しています。
コンテナボックスに収めているチャージコントローラーは防水仕様ではありません。
インバーターやバッテリーも雨や雪から守りたいので、屋外コンセントを取り付けた後にシリコンコーキングで隙間を塞いでおきました。
コーキングといってもコンテナボックスを完全に密封するわけではありません。
あくまで、ボックスの側面から雨水が浸入するのを防ぐのが目的です。
バッテリーは充放電する際に水素ガスを発生しますので、フタとボックスには自然に換気できる程度の隙間は必要だと思います。
インバーターやチャージコントローラーは、もしかしたら火花を発生するかも知れません。
可能であれば別の場所にバッテリーを設置するのも良いかも知れませんね。
引き込んであるケーブルのうち、左側の蛇腹のケーブルはソーラーパネルからのケーブルです。
右側のケーブルは屋内に送電するためのケーブルです。
- ソーラーパネルから入力
- バッテリーへの出力
- 負荷機器への出力
3系統、計6本のケーブルを、+と-を間違えないように接続して完了です。
6本の各ケーブルの終端には圧着端子を取り付けてあります。
ソーラーパネルで発電した直流の電流を、このコンテナボックス内のバッテリーに蓄電して、必要なときには交流に変換して送電する、いわば自作ソーラーシステムの心臓部ですね。
心臓部のワリには、ホームセンターの特売で1000円を切るチープな入れ物に入れてありますが(笑)
■屋内へのケーブルの引き込み
左側のケーブルは、もともと室内に引き込んである無線アンテナ
のケーブルです。
右側のケーブルがインバーターから送電されてくるケーブルです。
ここも、コンテナボックスと同様に隙間をコーキングしてあります。
そして、室内はどうなっているのかというと、
こんな感じです。
右側に半分だけ見えているコンセントが、もともと家に付いているコンセントです。
テレビアンテナと交流100Vの2口が1まとめになっているものですね。
そして、左側の2口コンセントが、新潟おてんとサンが増設したものです。
無造作に穴が開いている状態は・・・見なかったことにしてください(笑)
無線アンテナを引き込んであるだけなのですが、配線を済ませる前に丸い穴が開いたアタッチメントを通しておくのを忘れたためにこうなってしまいました。
同軸ケーブルをブッタ切ってアタッチメントを通せば良いだけなのですが・・・とりあえず放置しています。
上段には、インバーターからのケーブルを接続してあります。
当然ですが、インバーターの電源を入れておかないと電気を利用することが出来ません。
■設置が完了したら、ソーラーパネルとケーブルを繋いでチャージコントローラーをチェック
ソーラーパネルからのケーブルを接続、チャージコントローラーが状態の表示を始めました。
新潟おてんとサンの購入したチャージコントローラーは、
- 入力電流
- バッテリー電圧
- 供給している電流
を数秒ごとに切り替えて表示しています。
以上で、めでたく自作ソーラー(太陽光)発電の設置(DIY)完了となります。
さて、いかがだったでしょうか。
ポイントは防滴とケーブルの保護ですね。
どうしてケーブルを保護するのかと言うと、紫外線の力は意外と強力だらかなんです。
ソーラーパネルからのケーブルはなかなかシッカリしていて被覆も厚いですが、紫外線の元にさらしておくのはチョット気が引けますよね。
ソーラーパネルからチャージコントローラーまでは直流の電流が流れることになります。
万が一にも被覆が損傷することがあればとっても危険です!
100Wほどの太陽光パネルを単体で使う分には、そう神経質になる必要もなさそうです。
ですが、ゆくゆく増設していくつもりならばケーブルは保護するべきですよね。
一度設置してしまうと、ケーブルはそのままで運用・増設してしまいがちです。
それに、意外と長期に渡ってそのまま使用してしまいます。
せっかくDIYするのですから、出来るだけ安全に使いたいですよね。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。
はじめまして、新潟おてんとサンさんのホームページを参照させてもらい
100Wの自家発電を始めました。
質問があるんですが、ソーラーパネルは一部に影が掛かると発電はしなくなるのですか??
ベランダに設置したのですが。午後2時位に屋根の影が1/3位かかっていて、チャージャーを
見ると発電をしていません。
いきなりですいませんが、ご教授頂ければ助かります。
はじめまして、おがわちゃん サマ。
コメントをいただけて非常に嬉しいです!
さて、ご質問の件。
まずはソーラーパネルの構成から。
一般的なソーラーパネルは、幾つかのセルが縦と横に並んでいます。
幾つかのセルを直列接続することをストリング、
幾つかのストリングを並列接続にするとアレイ、
と呼んだりしますね。
また、発電状態のセルは電池と見立てることができます。
□=セル、としてプチアスキーすると、
|-□-□-□-□-|(←これがストリング)
|-□-□-□-□-|(ストリング)
|-□-□-□-□-|(ストリング)
|-□-□-□-□-|(ストリング)
(これでアレイ)
|
|-□-□-□-□-|(ストリング)
↓ |
|-□-□-□-□-|(ストリング)
↓
|-□-□-□-□-|(ストリング)
↓ |
|-□-□-□-□-|(ストリング)
|
(バイパス回路、矢印はバイパスダイオード)
こうなります。
たくさんの電池を直列にして、なおかつソレを並列にして、目的の電圧を作っているといえますね。
で、ソーラーパネルの構造にもよるのですが、ストリングを並列にする部分にバイパス回路が設けられているものもあります。
ココからが本題です。
ソーラーパネルを構成するセルの一部分が日陰になってしまったらどうなるのか?
|-□-□-□-■-|
こうなると日陰の部分は電流を流しませんから、4つのセルが機能しないことになってしまいます。
つまり、ソーラーパネルの一部分が日陰になってしまうと、
|
|-□-□-■-□-|(この部分は電流を流せない)
↓ |(この部分は電流を流せない)
|-□-□-■-□-|(この部分は電流を流せない)
↓
|-□-□-□-□-|
↓ |
|-□-□-□-□-|
|
こんな感じになります。
セルの一つが日陰になってしまうと、そのセルを含んだストリングが電流を流せなくなってしまいます。
すると、電流はバイパス回路を使って日陰となってしまったストリングを回避してしまいます。
パネルの1/3ほど日陰になると、
|
|-□-□-■-■-|(この部分は電流を流せない)
↓ |(この部分は電流を流せない)
|-□-□-■-■-|(この部分は電流を流せない)
↓
|-□-□-□-■-|(この部分は電流を流せない)
↓ |(この部分は電流を流せない)
|-□-□-□-□-|(この部分は電流を流せない)
|
こんなイメージですね。
ソーラーパネルというのは、その一部分が日陰になってしまうと著しく発電量が低下してしまうのです。
また、パネルを縦断するような細長い日陰の場合は、そのパネルはほとんど発電できなくなってしまうのです。
セルのみならず、多数のソーラーパネルを設置する場合にも上記のような関係を応用することが出来ます。
いかがでしょうか?
ソーラーパネルの一部分の日陰は、パネル全体の発電量に関わるということですね。
可能であれば、設置位置を工夫して日陰に掛かってしまう時間を減らすと良いかと思います。
パネルやチャージコントローラーの故障ではないかと思います。
※ここでのプチアスキーはあくまでイメージです。
具体的なバイパス回路の働きは、
『『バイパスダイオード』と『逆流防止ダイオード』の違いと働きを知っておこう』
を参考にしてみてください。
よくわかる説明をありがとうございます。
日陰は、縦断していますので、発電はしませんね
ベランダの外側に出そうと計画はしているのですが、
イレクターパイプの制限もあるしで考え中です。
質問なんですが、チャージャー30Aにしてインバーターを
正弦波の定格2000Wを使用しているのですが、600Wの
エアコンを作動できません
これは、チャージャーの容量が小さいのでしょうか??
12V(バッテリー)×30A(チャージャー)=360Wだからでしょうか??
インバーター後は、100Vなので100V(昇圧)×30A(チャージャー)=3000W
とは、ならないのですか??
変な質問ですいませんが、ご教授頂ければ助かります。
お役に立てたようで嬉しいです。
さて、ご質問の件。
インバーターとチャージコントローラーのスペックは分かりました。
ソーラーパネルとバッテリーはどんな構成なのですか?
出来れば、
・ソーラーパネルのW数や使っている枚数
・バッテリーの仕様や使っている個数
を教えていただけると返答しやすいです。
ソーラーパネルは、100w1枚でバッテリーは、ボッシュの車用の135D31Lを1個です。
なるほど。
・100Wのソーラーパネル
・12V75Ahのバッテリー
・30Aチャージコントローラー
・2000W正弦波インバーター
・動かしたい機器が600Wエアコン
という構成なのですね。
一言で答えると、パネルとバッテリーの容量不足です。
まずはシンプルに、
・ソーラーパネル
・インバーター
・600Wエアコン
という構成で考えて見ましょう。
ソーラーパネルの発電量がピークを維持していると仮定します。
600Wのエアコンを動かしたいのですから、最低でも600Wのソーラーパネルが必要になります。
さらに、インバーターで交流に変換しますから、その分のロスも考慮しなければなりません。
インバーターの変換効率を60%と考えるのであれば、
・1000W分のパネルを準備
・それがピークを維持(1000W発電を維持)
の状態で、インバーターからの交流出力が600Wということになります。
ざっくり過ぎる計算ですが(汗)
さらに、日照は常に変動します。
ソーラーパネルがピークで発電できるのは晴天1日のうちで3時間ほどです。
つまり、上記の構成では、
『晴天の日の日中に3時間ほど、600Wエアコン運用が出来るかも知れない』
ということになります。
次に、バッテリーの登場です。
12V75Ahのバッテリーで600Wエアコンを動かそうとすると、インバーターの変換効率などを差し引くと30分程度かと思います。
実際は、一気に電圧が下がってエアコンはウンともスンともいわないでしょう。
12V75Ahのバッテリーが4個とか8個とか準備できるのであれば、2~3時間は持ちこたえることが出来るかもしれません。
で、バッテリーを使った構成を考えてみると、
・100Wのソーラーパネルを10枚
・12V75Ahのバッテリーと最低4個
・チャージコントローラー(30Aでは厳しいです)
・2000W正弦波インバーター
・動かしたい機器が600Wエアコン
コレが最低限必要な構成かと考えます。
ただし、1000Wを12Vで運用するので、
『 1000W ÷ 12V = 83.3A 』
もの電流が流れてしまう計算になります。
コレだとかなり危なそうな雰囲気ですよね。
24V系のシステムにしたとしても、41.6Aもの電流が流れてしまう計算になります。
48V系のシステムでは20.8Aという計算になりますね。
直流の大電流(システム電圧の変更)や、それに見合ったケーブル類、チャージコントローラーなどの問題が解決したと仮定しても、すぐにバッテリーが音を上げてしまうと感じます。
これだけ解決してもエアコンが少しの間だけ運用できる規模ということです。
最後に、おがわちゃんサマがお手持ちの機器の仕様について。
・100Wのソーラーパネル
・12V75Ahのバッテリー
・30Aチャージコントローラー
・2000W正弦波インバーター
それぞれみてみましょう。
■100Wのソーラーパネル
12V系のDIYソーラー向きのパネルかと思います。
パネルの仕様は、
・公称最大出力動作電圧、18V前後
・公称最大出力動作電流、5.56A前後
ではないでしょうか?
『 100W ÷ 18V = 5.56A 』
このパネル1枚で、ピーク時に18V5.56A(100W)の電力を得ることが出来ます。
■12V75Ahのバッテリー
このバッテリーは、
『フル充電の状態からバッテリー上がり(10.5V)となるのに、15Aの電流を5時間かけて取り出せる』
という性能のバッテリーです。
ちょっとややこしいですね。
『15Aの電流を使い続けると5時間でバッテリー上がりになる程度の性能』
と言い換えると理解しやすいかと思います。
12Vで15Aというと180Wですね。
180W相当の電力を5時間使うとバッテリー上がりです。
■30Aチャージコントローラー
これは、30Aまで入力できるチャージコントローラーではないでしょうか?
100W(18V5.56A)のソーラーパネルであれば、5並列で500W(18V27.8A)となります。
つまり、上記のソーラーパネルを5枚まで入力できるということですね。
ですが、もうちょっと余裕を持って、20A程度の入力で運用するべきかと考えます。
となると、100W(18V5.56A)のソーラーパネルは4枚くらいまでと考えるのが妥当でしょうか。
■定格2000W正弦波インバーター
入力する電力(バッテリーの容量)によって、2000Wまで出力できるインバーターですね。
12V75Ahのバッテリーでは、180W相当の電力を5時間使うとバッテリー上がりです。
インバーターで変換する際のロスもありますから、このバッテリーを使った場合は、インバーターからの出力で100W5時間程度が限界かと思います。
12V75Ahのバッテリーを6個準備すれば、インバーターから600Wを5時間程度使ってバッテリー上がりっていう感じです。
ですが実際はもっと少なくなるでしょう。
いかがでしょうか。
エアコンを動かすとなると、12V系DIYソーラーでは難題が山積といった印象です。
エアコンをそれなりに運用したいのであれば、12Vバッテリーを4直列として、それを2~3並列とした48V系くらいのシステムが必要かも知れませんね。
ありがとうございます。
よくわかりました。
エアコンは、動けば10分でも良ければと思っていた程度だったのですが、実際にやってみると疑問になって、誰に聞いていいかもわからなくて…。
勉強不足で、先走ってしまいました。
パネル、バッテリーのシステムに対してオーバースペックなインバーターを買ってしまいましたね(汗)
今後パネルを増やせるかな~と思って30Aのチャージャーを購入したので発展をしていくつもりです。
バッテリーもディープサイクルを買って行けたらと思います。
無知な状態で初めて、質問でご迷惑をお掛けしましてすいませんでした。
また、ご教授頂ければ幸いです。
全く迷惑ではありません。
参考にしてもらえれば嬉しいです!
それに、僕自身もまだまだ駆け出しの身分と思っています。
>オーバースペックなインバーター
とはいっても、インバーターに余裕があるのは良いですよね。
羨ましいです!
運用する用途のギリギリのインバーターだと、激しく発熱したり、ファンが回りっぱなしになったりします。
2000Wクラスのインバーターでしたら、温度などを監視してファンをコントロールしてくれるかと思いますし、静音などの快適性は上がるのではないでしょうか。
運用する電力に対して変換ロスが大きくなってしまうかも知れませんが、後々システムアップする予定であればインバーターを買い増すよりは経済的と感じますし。
それに、インバーターは酷使すればするほど壊れてしまう印象があります。
余裕のある方が何かと心強いですよね。
また、気になることがありましたら気軽にコメントしてくださいね。