バッテリーの電圧に応じたソーラーパネルの構成

バッテリーの電圧に応じたソーラーパネルの構成
自作のソーラー発電をDIYするときに悩んでしまうのがソーラーパネルの選定です。

DIY用途で流通しているソーラーパネルには様々な種類があります。
商品に『12V系用』などと表記してあるものは選びやすいのですが、実際にはソーラーパネルのスペックを良く見て判断することになります。

ポイントは、
『ソーラーパネル側とバッテリー側の電圧バランスを考慮する』
ということです。

充電するバッテリーが、
12Vであればソーラーパネルの電圧は18V前後に、
24Vであればソーラーパネルの電圧は36V前後に、
といった具合です。

ここでは、
ソーラーパネルのスペックについて
12V系DIYシステムのソーラーパネルの構成
24V系DIYシステムのソーラーパネルの構成
について書かせていただきますね。

ソーラーパネル選びにつまづいたら参考にしてみてください。


ソーラーパネルのスペックについて知っておこう

まずは、ソーラーパネルの、
・公称最大出力
・公称最大出力動作電圧
・公称最大出力動作電流
この3つの数値を注意深く見てみてください。

特に重要なのが『公称最大出力動作電圧』です。

DIY用に販売されているソーラーパネルの『公称最大出力動作電圧』には、ちょっとした特徴があります。


公称最大出力動作電圧が18V前後(17.86Vなど)のソーラーパネル
~150W程度までのソーラーパネルに多いパターンです。
これは、12Vのバッテリーに充電することを前提にした太陽光パネルといえます。

12V系のパネルでいえば、
150W⇒18V、8.33A
100W⇒18V、5.56A
50W⇒18V、2.78A
20W⇒18V、1.11A
10W⇒18V、0.56A
5W⇒18V、0.28A
こんなスペックの太陽光パネルが多いかと思います。


公称最大出力動作電圧が36V前後(36.55Vなど)のソーラーパネル
~200W程度までのソーラーパネルに多いパターンです。
これは、24Vのバッテリーに充電することを前提にした太陽光パネルといえます。

24V系のパネルでいえば、
230W⇒36V、6.39A
200W⇒36V、5.56A
190W⇒36V、5.28A
こんなスペックの太陽光パネルが多いかと思います。


ソーラーパネルの仕様を良く見ると用途に見合ったソーラーパネルを選ぶことが出来ますね。

便宜的に、電圧を18Vや36Vに固定してW(ワット)をV(ボルト)で割ることで電流を計算しています。
実際のソーラーパネルの数値は前後します。

ソーラーパネルの出力がが小さくなるにつれて電流Aが小さくなっているだけなんです。
(例外なパネルもモチロン有ります。)

200Wのパネルでも動作電圧が18Vといった物もあるので購入するときには注意してください。

中には48Vのパネルもありますが、これは36Vのバッテリー(12V×3直列)への充電も可能なパネルといえますね。


バッテリー電圧が12Vの場合のソーラーパネルの構成
12V系DIYソーラーのソーラーパネル構成
太陽光パネル側の電圧を18V前後にすれば、12Vバッテリーの充電にちょうど良いワケです。

注意が必要な点は、
電流が高くなってしまいがち
ということです。

例えば、100W18Vのソーラーパネルを10枚並列(合計1000W)にすると、実に55.56Aもの直流電流が流れてしまうことになります。
一方の、200W36Vのソーラーパネルを5枚並列(合計1000W)にした場合だと、電流は27.78Aに抑えることができます。

12Vと24Vのバッテリー電圧の違いによって、システムに流れる電流が大きく変わることが分かると思います。

チャージコントローラーの許容電流にも色々ありますが、30~40Aあたりで一般的な製品は頭打ちとなってしまいます。

12V用30Aのチャージコントローラーで考えてみると、
・合計500W
・18V
・27.8A
が限界といえるのです。

12V系のDIYソーラー発電はシンプルな構成で済む反面、発電量の規模には低い限界があるといえますね。


バッテリー電圧が24Vの場合のソーラーパネルの構成
24V系DIYソーラーのソーラー
太陽光パネル側の電圧を36V前後にすれば、24Vバッテリーの充電にちょうど良いワケです。

注意が必要な点は、
バッテリー周りの接続方法が複雑になってしまう
使えるインバーターが限られてしまう
ということです。

例えば、200W36Vのソーラーパネルを5枚並列(合計1000W)にした場合だと電流は27.78Aとなります。

24V用30Aのチャージコントローラーで考えてみると、
・合計1000W
・36V
・27.8A
が限界といえます。

12V系のシステムと比べると1/2ほどの電流に抑えることが出来るので、より多くのソーラーパネルを使うことが出来るということになりますね。


さて、いかがだったでしょうか。

どの程度の発電量が欲しいかによって、バッテリーの電圧やソーラーパネルの組み合わせを考える必用があることが理解してもらえると思います。

バッテリーの電圧とソーラーパネルの構成は、切っても切り離せない関係だっていうことですね。

DIYソーラー発電メニュー


以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。



11 thoughts on “バッテリーの電圧に応じたソーラーパネルの構成

  1. 川島

    お世話にになります。
    川島と申します。

    初めて自作のソ-ラ-発電に挑戦したいと思っています。
    自宅の750wのエアコンを動かしたいと思っております。
    配線教えていただければたすかります。

    よろしくお願いいたします。

    川島

    返信
  2. 新潟おてんとサン 投稿作成者

    はじめまして、川島さま。

    750WエアコンをDIYソーラーで動かす計画なのですね。

    どのくらいの時間でエアコンを駆動したいのか?
    というのが、パネルなどの構成を考える上で大切かと思います。

    仮に、800W分のソーラーパネルを準備したとして、800Wの電力を発生できるのはお天気の良い状態で1日のうち2~3時間と考えられます。

    それ以外の時間はバッテリーに頼りきった運用になってしまいます。

    つまり、相当な容量のバッテリーを準備しなければ、750Wのエアコンを満足に動かすことは出来ないでしょう。

    配線については、本ページの、
    『■バッテリー電圧が24Vの場合のソーラーパネルの構成』
    という部分を参考にしてみると良いでしょう。

    バッテリー電圧が12Vでは役不足ですので、24Vや36Vや48Vといったバッテリー電圧でDIYする必要がありそうです。

    24Vでも750Wを供給するのに30Aもの電流となってしまいます。
    可能であればバッテリーの電圧を36Vや48VでDIYできれば良いと考えます。

    あとは1500Wなり2000Wなり(750Wの突入電流に対して余裕を持たせて)の正弦波インバーターを使いたいところです。

    その辺の課題がクリアできれば、エアコンを動かすくらいのシステムをDIYできるかと思います。

    返信
  3. 川島

    ありがとうございました。
    参考になりました。

    とりあえず1万円コ-スで一度自分で作ってみて、それから750wのエアコンに挑戦してみます。

    明日早速準備します。
    尚駆動時間は18時から22時です。

    川島

    返信
  4. 新潟おてんとサン 投稿作成者

    参考になれれば嬉しいです。

    750Wエアコンを日照のない時間帯に4時間なんですね。

    その4時間で、バッテリーの消費を1/5や1/10とかに抑えることが出来れば、バッテリーの寿命に与える影響が少ないかと思います。
    バッテリーの消費は少ないほど良いかと。

    半分まで使ってしまうとディープサイクルバッテリーといえどもダメージが心配ですし、普通のカーバッテリーなどならバッテリー上がりってことになります。

    で、夜間に使ったそれだけの電力を翌日の日中に補えるかどうか?
    っていうところで、ソーラーパネルの量を考える必要があるかと思います。

    となると・・・結構なバッテリー容量が必要ですね。

    そして、それだけのバッテリーで運用するには・・・電圧を上げてやった方が直流部分の電流を抑えることができる、というのが新潟おてんとサンの考えです。

    ・・・、新潟おてんとサンの意見が完全に正解というワケではないので、様々検討されて安全にDIYしていただけると嬉しいです。

    また、何か気になることがあったら気軽にコメントしていってくださいね。

    返信
  5. 川島

    お早うございます。

    参考になりました。ありがとうございます。
    またご相談よろしくおねがいいたします。

    川島

    返信
  6. てるず

    新潟おてんとサン さま
    ご無沙汰しております。

    興味深いお話しでしたので、お邪魔させていただきます。
    エアコンを稼働する上で一番重要なのは
    インバーターエアコンなのか否か
    もちろん100VでないとNGですが、
    インバーターエアコンであれば
    稼働後2~30分も経てば消費電力は
    少なく安定します。
    一方、インバーターでない窓用エアコンなどは
    高負荷と無負荷を
    がっちょんがっちょん切り替えますので最悪。
    まずはワットモニターで消費電力を確認です。

    定格750W単相100Vのインバーターエアコンで
    突入電力も1,000W以下であれば、
    ・EB100×2直列(予算によっては再生品でも)
    ・APC SMART UPS 1500(中古で5,000円位)
    合計4~5万円で充分稼働出来ますし、
    時間帯別電気料金契約なら
    ひとまずパネルナシで深夜に充電し
    夕方稼働するという手もあります。

    別件でご相談したいことがありまして、
    1年前に購入したパナソニックのブルーカオスバッテリーが
    すでに弱ってきました。
    自動車用のバッテリーなので
    短サイクルなのは覚悟していたのですが、
    有名メーカー品なのでもう少し期待していました。

    2直列で0.8kWh程度を毎日賄うのに
    ACデルコ M31MF新品、2個で23,800円
    HP38-12A、2個で11,300円(セニアカート用再生バッテリー)
    EB100のリビルド品、2個で29,000円
    どれがよいと思いますか?
    その他候補がありますでしょうか?
    以前、発電ドリームさまのコメントを参考に
    OPTIMAイエローを1個購入し
    単独使用で重宝しておりますが、
    OPTIMAは直列、並列での運用は
    注意が必要とのことでした。

    以上、よろしくお願い申し上げます。

    返信
  7. 新潟おてんとサン 投稿作成者

    こんにちは、てるずさま。
    お久しぶりです。

    近年のエアコンはほとんどがインバーター制御とはいえ、窓枠タイプは旧来のON/OFF制御もありますね。
    ターゲットになるエアコンの制御方式によって、DIYソーラーでの運用に向き不向きがあるのですね。

    さて、バッテリーの件。

    ・ACデルコ M31MF、115Ah
    ・HP38-12A、38Ah
    ・EB100、100Ah

    の中だったら、容量と設置スペースを考慮して、
    『ACデルコ M31MF』
    を選ぶかと思います。

    ・M31MFを2直列で24V-115Ah
    ・1日の消費、0.8kWh:800Wh:800AVh÷24V:33.3Ah
    ・バッテリーの容量、115Ah:115Ah×24V:2760Wh

    バッテリーの容量に対して、1日の消費が28%っていう感じですね。
    日照がない状態が続いてしまうとバッテリーのダメージが気になります。

    バッテリーの実力を70%と仮定すると・・・、
    ・バッテリーの容量、115Ah→80.5Ah(70%):80.5Ah×24V:1932Wh
    単純に800Whの電力を取り出すと41%もの容量に相当してしまいます。

    平行して充電できない場合の、バッテリーへのダメージが心配になってきます。

    臆病な新潟おてんとサンとしては、
    ・もう少しバッテリーの容量を増やす
    ・800Wh/1日を減らす
    ことを考えてしまいます。

    あくまで、僕が数字をゴニョゴニョといじっただけの目安と捉えてください。

    たぶん、カオスバッテリーは使用深度が深かったのかな、と想像します。

    返信
  8. てるず

    新潟おてんとサン さま
    おはようございます。

    バッテリーの件、ご教授いただきまして
    ありがとうございました。
    ボイジャーはあまり評判よろしくないので
    ほかにあれこれ探しておりまして、
    一応ひとつ見つけて試用中です。
    以下、その経過です。

    希望するバッテリー内容は
    CCAとRCが高い、
    容量も100Ah程度、
    サイクル寿命が長い、
    何よりお財布にやさしい、
    という厳しい条件でした。
    ACデルコのM31MFや20-110新品、
    EB100のリビルト品、
    1個2~3千円の自動車用バッテリー、
    あたりを候補としつつ
    ボイジャーはあまり評判よろしくないので、
    20-110互換のリビルト品を探しておりました際、
    CCA実測1,060の画像が目に留まり
    300サイクル以上の高寿命、
    8,000円(本体7,000円+送料1,000円)
    ええのあるやん!で即ポチ。
    幸いハンマーチャンスで500ポイント当たっていたので
    実質7,500円で入手出来ました。
    2直列なので当然あと1個必要なのですが、
    単独使用でその性能を吟味した上で、
    同程度のCCA値品を買い足そうと思います。
    初日放電値150Wh、充電値290Whでした。
    オク検索は「VARTA 再生」にて。
    110Ahのシールドタイプもありましたが、
    AGMの方がサイクル性能が良さそう?
    穴開けて補水するならシールドタイプ有利。

    新潟県の9月は日照良かったですね。

    返信
  9. 新潟おてんとサン 投稿作成者

    こんにちは、てるずさま。

    『20-110互換』代替になると良いですね!

    新潟県9月の日照は確かにが良かったです。
    ですが、10月に入ってお天気不調気味ですね(汗)

    これからの新潟県では、日照時間はあまり期待できなくなってしまう時期です。

    来春に向けてDIYソーラーのステップアップなりを考えつつ、しばしご隠居生活といった感じですね。

    返信
  10. 清水政夫

    初めまして、大阪に住む71歳の男性です。リフォーム工事をしていましたのでDIYには少し自信がありますが、太陽光発電は初めてなのでいろいろとご指南を頂ければ幸いです。
    私が、希望をしたいのは24時間カラーテレビ(消費電力300W)を視聴したいことです。
    ①100Wの太陽光パネルであれば何枚必要でしょうか
    ②パネルからの接続はチャージコントローラー(500W)

    ③インバーター100V500W⇒ カーバッテリー12V5個(並列)
    ⇩     
    カラーテレビ
    接続コードはVA2.0
    以上が、私なりの(素人)考えですが、いかがでしょうか? 
    宜しくお願い致します。

    返信
    1. 福岡のいち

      清水さん
      たまたま見かけたので、横からですが、失礼します。
      私も素人なので参考までに。

      かなり大きなTVをお持ちのようですね。
      300Wのテレビを24時間つけたままにする場合、300X24=7.2kwが必要になります。
      100Wの太陽光パネルから1日あたり発電できる量として246~383wと言われています。
      (年間を平均した値としてです。雨の日はもっと下がると思われます)
      そこから算出すると1900w~3000wほどのパネルが必要になります。
      現実的ではないのではないでしょうか?

      調べてみたところ60インチくらいのテレビで消費電力が200wくらいなので、

      一日の消費電力が300Wということであれば、パネルは100w~200wで良いと思います。

      12Vのバッテリーから500wのインバーターへの接続ですから
      500÷12V=42A流れますので、2.0のVVFでは足りないと思います。

      ちなみに一日300wの電力を1年間使用した場合の電気代が2000~3000円くらいです。

      返信

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