本ブログの読者から質問を頂きました。
DIYソーラー(自作太陽光発電)に興味をお持ちの方の参考になるかも知れませんのでご紹介いたします。
■読者K氏からの質問
ネットで見つけた以下のGTIとパネルの組み合わせで使えるのでしょうか?
GTI
・最大出力:200W
・最大入力:230W
・定格入力電圧:DC 22-45V
・対応電圧:AC 90-140V
・対応周波数:50Hz/60Hz
パネル(2枚セット)
・出力:100W
・最大出力電圧:18.0V
・最大出力電流:5.56A
宜しくお願い致します。
■新潟おてんとサンの返答
こんにちは、Kさま。
ご提示の機器について、新潟おてんとサンなりに考えてみますね。
■GTIの仕様
・最大出力:200W
GTIが商用電源(コンセント)に流し込める最大の出力
・最大入力:230W
GTIに入力できる最大のパネル出力
(GTIにつなげられる合計のパネル出力)
・定格入力電圧:DC 22-45V
GTIに入力できる直流電圧が22V~45V
・対応電圧:AC 90-140V
GTIが電力を流し込む商用電源(コンセント)の仕様
(日本のAC100V(商用電源)はピークで140Vほどなので、完全に日本向きのGTIといえます)
・対応周波数:50Hz/60Hz
日本のAC100V(商用電源)は50Hzと60Hzがあります。
GTIはAC100V(50Hz or 60Hz)に自動で同期して、電力を供給します。
※入力できる電流についての記載が無いので、電力(W)÷電圧(V)で概ねの入力電流を考えると、
・230W÷22V=10.5A(22Vで入力するなら電流は10.5Aまで)
・230W÷45V=5.1A(45Vで入力するなら電流は5.1Aまで)
という目安に出来ます。
■パネルの仕様
・出力:100W
・最大出力電圧:18.0V
・最大出力電流:5.56A
このパネルが2枚セットですね。
ということは、この2枚のパネルを直列か並列で接続することになります。
2通りの接続方法で、電圧と電流がどうなるのか考えます。
■この2枚のパネルを直列にしたとき
・合計出力:200W
・最大出力電圧:36.0V
・最大出力電流:5.56A
この数値をGTIの入力と比べてみます。
GTIの入力可能範囲は、
・最大入力:230W(OK)
・定格入力電圧:DC 22-45V(OK)
・入力できる電流:230W÷36V=6.38A(OK)
※230Wまで入力できるGTIに36Vを入力するという前提です。
つまり、上記のパネル2枚を直列とした場合は問題なく運用可能です。
■この2枚のパネルを並列にしたとき
・合計出力:200W
・最大出力電圧:18.0V
・最大出力電流:11.12A
この数値をGTIの入力と比べてみます。
GTIの入力可能範囲は、
・最大入力:230W(OK)
・定格入力電圧:DC 22-45V(パネルの電圧が低すぎます)
・入力できる電流:230W÷18V=12.78A(OK)
※230Wまで入力できるGTIに18Vを入力するという前提です。
つまり、上記のパネル2枚を並列とした場合はパネルの電圧が低すぎでGTIが正常に動作しない可能性があります。
※GTIの入力よりも低い数値での範囲外なので、GTIを破損することはないでしょう。
■GTIの構造
簡単に言えば、チャージコントローラーとインバーターを1つにまとめた機器です。
・入力部分(チャージコントローラー部分)
一般的なチャージコントローラーと変わりありません。
・出力部分(インバーター部分)
商用電源の電圧と周波数に同期して電力を供給するという特殊な仕様です。
入力部分の仕様を良く確認すれば、どんなパネルを選べば良いのか?が見えてくるかと考えます。
これは、チャージコントローラーを選ぶ際にも言えることですね。
結構と書いてしまいましたが、オームの法則にのっとった簡単な計算です。
項目が多いので凡ミスも起こりやすいです。
ひとつひとつ解決していけば良いです。
メンドクサイだけで難しくありません。
よく読んで理解してみてください。
■GTIはお手軽か?
パネルとGTIだけで運用できるのでお手軽といえばお手軽です。
配線などシンプルに済みますし、バッテリーが必要ない分、費用を抑えることができます。
構成がシンプルであれば機器の故障などでの出費も少ないですし、メンテナンスの手間も省けます。
結果的に、節電できた分で購入費用を浮かせることができるスピードも速いでしょう。
ただ、GTIに関しては手放しでお手軽とはいえない機器だという事も覚えておいてください。
自分の責任以外の部分、商用電源に勝手に電力を供給してしまう行為ですから。
電力網の先には無数の家屋があり、電力会社からの電力を使っています。
もし、この電力網に何かしらのトラブルを起こしてしまった場合、知らぬ存ぜぬでは通せません。
相応の責を問われると考えておくべきでしょう。
自身の財産以外に影響を及ぼす可能性について、どこまで自己責任で運用できるのか?ということです。
何が言いたいのかといいますと、メリットだけに目を奪われるのではなく、デメリットや危険性を良く知った上で使うべきだということです。
そのためには、運用する機器のことや関わる事項を良く知っておくことです。
自分自身さえも良く分かっていないモノを運用して、大多数が使っている商用電源に何かトラブルを起こしたのでは目も当てられません。
例えば、このブログを参考にしたんだと言ってみたところで、僕が身代わりに責任を取れるものでもありませんから。
大袈裟すぎるかも知れませんが、こういう可能性も考えて運用する必要がありそうですね。
機器のマッチングやデメリットを、自身の知識で何とかできる位に色々と調べてみてください。
その上で、本当に必要なメリットかどうか決めたとしても遅くはないでしょう。
いかがでしょうか。
どうも僕はGTIの事になると神経質になってしまいます。
あくまで実験的な位置付けの機器なんですよね。
独立系DIYソーラーにもデメリットや危険性はありますので、慎重に検討してみてください。
本ブログでは、読者の皆様からの質問やご意見を出来るだけ記事に反映させていくつもりです。
質問やご意見などなどコメントや直メールで遠慮なくお寄せくださいね。
以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。