直流12V(バッテリー)でLEDを点灯させるときの抵抗値を計算してみよう

直流12V(バッテリー)でLEDを点灯させるときの抵抗値を計算してみよう
DIYソーラーや自動車のアクセサリーとしてLEDを点灯させたい時ってありますよね。

LED(発光ダイオード)は電球とちがって微弱な電流でも発光してくれるエコな半導体でもあります。
このLEDは微弱な電力で点灯するがゆえに、12Vのバッテリーに直結すると破損してしまいます。

そこで、『抵抗器』や『CRD(定電流ダイオード)』を使ってLEDに流す電流を調整する必要があるのです。

『CRD(定電流ダイオード)』とは、電圧に関わらず一定の電流を流してくれる素子です。
CRD(定電流ダイオード)を使うことで15mAや20mAといった、常に一定の電流をLEDに流してくれます。
また、面倒な抵抗値の計算も必要ありません。
かんたんにLEDに見合った電圧を作ることが出来ますね。

今回は、オームの法則のおさらいも兼ねて『抵抗器』をつかってLEDを点灯させるための抵抗値の計算をしてみましょう。


12Vバッテリーに充電している状態を想定

・エンジンが始動していて充電している状態のバッテリー
・DIYソーラーでチャージコントローラーから充電している状態のバッテリー

上記の電圧を14.4Vと仮定して計算してみます。

LEDの仕様
一般的なLEDは2Vで点灯します。
そこで、2V、20mAで点灯するLEDを使うものとして計算してみます。


1つのLEDを点灯させる場合
1つのLEDを点灯させる場合の抵抗値

LEDに2Vの電圧が必要ですから、抵抗を使って12.4Vの電圧を削る必要があります。
14.4V – 2V = 12.4V

ここでオームの法則が出てきます。
E(電圧V) = I(電流A) × R(抵抗Ω)
電圧V = 電流A × 抵抗Ω
です。

抵抗で12.4Vの電圧を削るのですから、
12.4V = 0.02A × 抵抗Ω
抵抗Ω = 12.4V ÷ 0.02A
抵抗Ω = 620Ω

となります。

つまり、620Ωの抵抗器をLEDの手前に入れてやれば、LEDに20mAほどの電流が流れることになります。


2つのLEDを点灯させる場合
2つのLEDを点灯させる場合の抵抗値

抵抗器で削る必要がある電圧は、
14.4V – 2V -2V = 10.4V
となります。

抵抗で10.4Vの電圧を削るのですから、
10.4V = 0.02A × 抵抗Ω
抵抗Ω = 10.4V ÷ 0.02A
抵抗Ω = 520Ω

となります。

つまり、520Ωの抵抗器をLEDの手前に入れてやれば、2つのLEDに20mAほどの電流が流れることになります。


3つのLEDを点灯させる場合
3つのLEDを点灯させる場合の抵抗値

抵抗器で削る必要がある電圧は、
14.4V – 2V -2V -2V = 8.4V
となります。

抵抗で8.4Vの電圧を削るのですから、
8.4V = 0.02A × 抵抗Ω
抵抗Ω = 8.4V ÷ 0.02A
抵抗Ω = 420Ω

となります。

つまり、420Ωの抵抗器をLEDの手前に入れてやれば、3つのLEDに20mAほどの電流が流れることになります。


いかがですか。

直列でLEDを増やしていくにつれて、抵抗の値を変えてやることで適正な電流を流すことができますね。

ですが、LEDは直列で5つくらいまでが限界かもしれません。
暗くなるか点灯しなくなってしまいます。


LEDを並列で増やしていく場合
並列でLEDを追加する場合

さらに多くのLEDを点灯させたいときは、直列にした抵抗器とLEDを並列に増やしていくことができます。

直列の部分が14.4Vになれば良いワケですから、LEDの個数を変えてそれに見合った抵抗器にすることで対応できますね。


LEDを並列で増やしていく場合(別パターン)
並列でLEDを追加する場合-別パターン

並列でLEDを増やしていく場合は、上記のように直列となる部分の電圧をそろえてやる必要があります。


抵抗器の定格電力

抵抗器には定格電力(耐えられる電力)があるということです。

抵抗器によってマチマチなのですが、
・1/4W(0.25W)
・1/2W(0.5W)
・1W(1W)

という具合です。

抵抗器を選ぶときは、この定格電力(耐えられる電力)も念頭に入れて選択する必要があるのです。

抵抗器の消費電力は、
P(電力) = I(電流A) × I(電流A) × R(抵抗Ω)
P(電力) = E(電圧V) × I(電流A)

で求めることができます。

上記の例での抵抗器の消費電力は、
620Ωの場合は0.248W
520Ωの場合は0.208W
420Ωの場合は0.168W

となります。

620Ωの抵抗器だと消費電力は0.248Wになってしまうので、1/4W(0.25W)タイプの抵抗器ではギリギリ許容範囲となってしまいます
定格いっぱいの電力で抵抗器をつかうと当然ですが発熱してしまいます
この場合は、2倍ほどのマージンをとって1/2W(0.5W)タイプの抵抗器を使うと良いでしょう。

520Ωや420Ωの抵抗器の場合も同様に、1/2W(0.5W)タイプの抵抗器を使うのが好ましいといえますね。


さて、いかがだったでしょうか。

抵抗器は1つ数十円ていどで購入できますから気軽にDIYにチャレンジできると思います。

また、LEDには抵抗器が内蔵されているものもあります。
12Vで使う前提のものが多く出回っていますので、いちいち抵抗器の値を計算しなくても使えて便利ですね。

オームの法則のおさらいや抵抗器の値の計算などなど頭の体操になります。

DIYソーラー発電メニュー


以上、『自作太陽光発電が好き!かんたんDIYソーラー発電』の新潟おてんとサンでした。



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